珍しい楽器と音楽

玉すだれ (彼岸花の一種です)

今日は彼岸入り。この連休はお彼岸で故人やご先祖様の供養と感謝をする期間となります。

このお話をするのもいいタイミングかと思い、書き始めています。

とてもお元気だった伯母。95歳で、眠ったまま、6月のある朝、他界しました。

まだ、病み上がりの私でしたが、父と一緒に車でお悔やみに行くことになり、お湯灌での感動と翌日の葬儀では今までにない音(音楽)に大変興味を持ってしまいました。

よく、故人がお好きだった曲や しんみりと懐かしげな曲が場内を流れていますね。そんな音楽も心を落ちつかせてくれますが、今回はそのBGMのお話ではありません。

葬儀の最中に、数人の若いお坊さんたちが音楽を奏でるのでした。普通なら、眠くなるようなお経だけを聞く感じですが、とにかく太鼓や鐘やシンバルのようなものがお経に合わせて、鳴るのです。私は、葬儀の間、リズムを感じ、音に魅かれ、ずっとその演奏(?)の一部始終見てしまうということになってしまいました。

あとで、何という名前の楽器なのかなどを聞きに行こうと思いましたが、もちろん、そんなことはできませんでした。

興味津々の私は、自宅に帰ってから。すぐ調べました。

宗派でいろいろ違いもあるようですが、浄土宗ではそういった楽器を打ち鳴らす葬儀があるそうなのです。

一番興味を持ったのは、シンバル…いいえ妙鉢(みょうはち)と言います。シンバルのように普通に合わせ叩くだけでなく、スリスリと擦り合わせ、その振動の余韻を響かせる、その音は他の楽器にはないものだと思います。厳かなお経とともにその音は何ともいえない響きを持っていました。

まるでシンバルのよう 妙鉢(妙鉢)

お寺のこういう楽器の音は、その場所を浄めるため、悪いものが寄ってこないように払い除くためにあるのだそうです。

音楽は宗教から始まったと言われています。

人間にとって、音楽は切っても切り離せないものだと思います。

子どもの頃からよく知る、とっても優しかった伯母。最後の最後まで、たくさんの身内に見守られ、その人生の演出は素晴らしかったと、つくづく感じました。