曲がすらすら弾ける子どもさんの場合は、ほとんどが覚えてしまっています。「上手に弾けたね〜」と言うと、大抵の子どもたちは「もう本を見ないで弾けるもん」と得意そうです。
子どもの記憶力はすごいのです。だから、グレードテストや発表会の時は、必ず暗譜にします。
発表会で弾く、とても長い曲を練習している子どもさんがいます。長い曲は楽譜の枚数も多いです。でも、そのたくさんの楽譜を譜面台に置いて発表会での演奏するということは、子どもの場合はほとんどいません。
「発表会の時は暗譜だからね。子どもの頭は賢いから、絶対に覚えて弾けるようになるよ」と言うととても素直に聞いてくれました。
そして、私は自分の子どもの頃を思い出し、「先生の子どもの頃の先生は、どの曲も絶対に暗譜しないと合格にしてくれなかったよ」と。
今思うと、それが 毎回の “曲の仕上げ “だと子どもの頃に教えられていたことは、当然ながら、必要な音楽力を身につけられることの一つでもあったのです。
途中でひっかかって、止まったり、引き直ししたりせず、すらすら弾くためには、身体で感じ、覚えこむまで、練習しないと、それは音楽にはならないのです。