エレクトーンを習っていると、ヤマハのグレード試験は必須、当たり前だと思って、子どもの頃からレッスンを受けてきました。ピアノもやっぱりグレードを取りました。ヤマハの演奏グレードは、曲を弾くだけでは通りません。ピアノの5級では、音大のピアノ科を出られた方でも、不合格になられる方がいます。それは、即興演奏のテストがあることが原因かと思われます。ピアノのグレードを受けるときに不安そうにされる方は、その即興演奏に慣れていない方々です。エレクトーンを習っているものにとっては、どちらかといいますと、即興演奏は得意です。ピアノだけをやって来られた方が、エレクトーンをやっている人を羨ましがられるのは、ここです。即興演奏を普段からやっていて、慣れてきたら、エレクトーンで弾くかピアノで弾くかの違いと、ポピュラー的な曲に仕上げるかクラッシック的に曲を仕上げるかの違いで、基本はほとんど同じだとも言えると思います。
ヤマハの講師ですので、できるだけ生徒さんにグレード受験をしてもらってきました。ところが、今、全体的にグレードの受験者が減りました。私の生徒さんはどうかといいますと、子どもさんに“グレード受験は必要ない“と最初から言われる親御さんには、強制的にはグレードを受けさせなくなりました。そうなると、目指すところもないし、区切りもなく、お母さんたちものんびりムードになり、足踏み状態でステップアップがしにくくなったと感じました。そこで、最近は、初級レベルから、子どもさんは必ずグレード受験をさせるようにしています。「グレード試験があります」とお伝えすると、子どももお母さんもピリッとして、練習に力を入れてくれるようになりました。漢検や、英検を子どもに受験させることに一生懸命なお母さんが多くなっているにもかかわらず、ピアノやエレクトーンのグレードには関心がないというのは残念です。そういう意味でも、グレードを頑張っていただくようにしています。
大人の生徒さんは、趣味で習いに来られている方がほとんどなので、グレード受験はほぼないと言ってもいいと思います。そして、エレクトーンをなさっていた方は、たいていエレクトーンのグレードを7級、6級まで取得していらっしゃいます。そこまで、取得されていますと、次のプロレベルのグレード受験より、自由に曲を弾くことをご希望されて、レッスンに来られるわけで、その先のグレードは受けないとおっしゃいます。
有難いことに、コロナ禍の中ですが、次々新しく大人の生徒さんがレッスンに来られています。少しお若い方も増えました。そして、勉強熱心。“せっかく習うのだから、もっと勉強したい。グレードを取っていきたい。” と言われる方々が、今、相次いでいます。これは、とっても嬉しい傾向です。グレードに年齢制限なんてありませんし、是非とも頑張っていただき、応援したいと思います。私は、久しぶりに、グレード受験のためのレッスンを、大人の方たちに始めだしました。学習者グレード試験官もさせていただいていましたし、何度も研修を受けたグレード試験内容、自分自身が勉強してきたそのスキルが活かされることも、嬉しく思っています。