子どもさんも、大人の方も、ピアノを始めようとするときに、値段も手頃、置き場所にも困らないと、キーボードを購入して、鍵盤楽器のレッスンを受けられることは非常に多いです。私は、“ 初めはキーボードでも大丈夫ですよ。どうぞ、レッスンを受けて下さい“と言っています。
教室では、ピアノを使いますので、お家ではキーボードで練習、レッスンではピアノを弾き、音楽を楽しんでいただいたらいいという考えも持っています。
どんな違いがあるのか・・
鍵盤のタッチの違いがありますが、レッスンでその感触を知ってもらうことはできます。キーボードの柔らかなタッチで弾くくせがついていると、実際のピアノ弾くときに音が出にくいということもあります。
そして、キーボードは、たいてい鍵盤数が少ないのです。
そこで、どうなるかと言いますと、ピアノに座った時に、楽譜にある正しいポジションに手がいきません。キーボードの中央と普通のピアノの中央位置がずれているからです。キーボードの鍵盤数が少ないもので練習されている方は、ピアノに座った時にどの位置で弾けばいいのか迷ってしまう方がほとんどで、間違った高さで弾き始めようとすることも大変多いです。
そのキーボードを使った大人のキーボード教室もあります。でもそこで習われている方がピアノも習いたいと来られましたら、左端から何番目という具合に音と鍵盤の位置を覚えていらっしゃるため、滅多に使わないピアノの鍵盤の低音部の本当に一番左端に手を持っていき、音を出そうとされるのには驚いてしまったことがあります。
子どもさんには良かれと思われる、キラキラいろんな色が光るもの、ボタン一つで音楽が再生されるものは、楽しさを考えるとそれで構いませんが、音楽の基礎と言われるピアノを学ぶことと、また違っているということは、知っていただくといいかなと思っています。
ショパンコンクール、Youtubeでもご活躍のかてぃんさんのキーボードを使っての演奏、CMも大人気です。キーボードを買われる方もグッと増えそうですね。目的に応じて、楽器選びをしていただくとよいかと思います。