ドラマからみる音楽観

「アンオーソドックス」
感動のクライマックスシーン

音楽は、人によっては 人生を支えるものになります。どちらかといえば、私もそんな人生を歩んできました。

いろいろな映画をよく観に行っていましたが、今年に入ってからは一度も行けてません。最近、スマホで気軽に観れるNetflixを教えてもらい、また良かったと薦めてもらったアメリカドラマを観たところ、久しぶりの感動がありました。

「アンオーソドックス」

ストーリーは、ニューヨークのユダヤ人の社会で生まれ育った若い女性のお話。戒律の厳しい結婚生活を1年送った後にベルリンへ逃亡。出会った音楽仲間。そして、音楽を通して始まる新しい人生と自由。メインテーマは女性の人権と自立を描いたものですが、私なりに音楽の観点から書きたいと思います。

学校でも音楽教育はなく、女性が男性の前で大きな声で歌うことは下品とみなされ、禁止されていたのだそうです。そんな中、祖母の大好きな曲を秘密で教えてもらい、祖父の貸している部屋に住んでいたピアノ教師に3年間、ピアノを習っていました。逃亡の時、このピアノの先生が航空券を手配してくれます。ベルリンに着いた時、偶然にも音大生と出会い、その先にはたくさんの音楽仲間。こっそり音楽学校の中で寝泊りしているところが見つかるのですが、オーディションを受けてみないかという音楽教授。仲間にピアノの演奏レベルの低さを指摘され、一時は諦めかけるのですが、周りに励まされオーディションを受けることになりました。当日のオーディションはピアノでなく歌だったのです。仲間たちの手助けがありました。そして、素晴らしい歌声(写真のシーン) 。主人公の新しい人生が音楽と共に始まるのです。

どこか、私の人生と共通しているところがあり、自分の進んだ道に対して後悔はないと、大変、共感しました。今も、何度も諦めかけた音楽が、また周りの力によって、音楽の世界に引き戻してもらえています。私にとって、どんな環境の中にいても、音楽は支えとなってきました。高度なテクニックというより、心に伝わる音楽が素晴らしいのだと思います。そして、その音楽を取り囲む人たちに救われます。私には、生徒さんたちとの出会いも、そうなのです。